墨つけ
大工にとって大事な技のひとつに「墨つけ」があります。正確に墨つけができないと、ノミ作業もできません。ノミの技がいくら上手くても、彫る位置が間違っていたのでは元も子もありません。
現在では、プレカット工法が多くなってきたので「墨つけ」を目にすることも少なくなってきました。
本来、日本の木造工法の建物は柱の「芯」で全体の構造を考えます。だから、古来より日本の大工は柱の芯に墨を打ってきました。
とにかく芯を出すことさえできれば、柱、梁に使う材料が曲がっていようが、大小さまざまの材料が混ざっていようが、建物を建てることができます。
ところが、プレカット工法では材料の面(つら)から寸法を追うので、丸太材のように曲がっている材料、大小大きさが違う材料が混ざると対応が難しいのが現状です。
真っ直ぐの木材だけを使うことが前提なのです。
小島勝工務店では自然の材料を生かした家づくりを目指しています。
自然の木材は、曲がっているものもあれば、大きさもさまざまです。
曲がっている材料に墨つけするには、大工の技が必要です。
自然の材料を生かした家づくりには、「墨つけ」も大事な技術なのです。