木は鉄よりも強い!
火事の時に最も大切なのは、とにかく外部へ脱出して家族の命を守る事です。 住宅ローン設定時や新居入居時に火災保険に加入しておけば、万が一火災で全焼してしまっても建物を再建することは可能です。
しかし、ご家族の≪命≫は、この世にたった一つしかありません。 住宅火災事には、≪脱出時間≫を確保することが求められるのです。 アメリカでは、「倉庫や学校の梁には鉄骨を使ってはいけない」という決まりがあります。鉄の梁はいくら太くても500℃〜800℃の高温になると急速に強度を失い、やがて倒壊してしまうと言われているからです。
一方「火事に弱い」というイメージのある木ですが、実は表面が炭化するだけで、強度を保つ中心部にはなかなか燃え広がりません。 5寸角(15cm)の柱の場合、15分経過しても中心の13cm以上は燃えずに残り、骨組みを維持することで、脱出時間を少しでも多く確保することができます。
大断面の木材は火災にも強い
一般に木材は火に弱いと考えられがちですが、決してそうではありません。木材が火災に遭うと表面が炭化し内部まで燃えるのを防ぐ性質があります。構造体が金属なら安心かというとそうではありません。鉄は500度になると急激に軟化し強度が低下します。鉄やアルミは熱で崩壊しますが、木造住宅の場合は燃えても軸組だけは残ります。
半永久的な寿命を持つ木造住宅
木が腐りやすいとかシロアリなどの被害を受けやすいと言う点で、木造の建物は 寿命が短いと思われていますが、それは大きな間違いです。木は腐らせさえしな ければ耐久性に優れた材料で、正しく使い、適切な手入れを施した木造建築は 半永久的と言えるほど寿命があります。
木造よりも耐久性に優れていると信じられている鉄筋コンクリート建築は、木が腐るのと同じように錆びたり、風化したりします。昭和初期に建てられた鉄筋コンクリート住宅の中には老朽化し、むしろこちらの方が100年もつかどうか疑問が残ります。木が本当の強度を発揮するのは建てて200〜300年後と言われています。実際、築後100年200年という民家も存在します。
また西暦700年ごろ(奈良時代)に建築された法隆寺の金堂や五重塔は1300年も経った今でも地震、台風にビクともしない世界最古の木造建築です。
伝統工法で建てられた木造建築は、部材の取り替えができるため、腐った部材を取り替えれば少々オーバーな表現をすれば永遠にもつと言えるかもしれない。